a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

ドナドナ

a-doll2009-09-14

月曜日は掃除の日。窓を開け放って掃除機をかける。
まだくたびれが取れないので、午後はゆっくり読書をした。

今、童謡の歌詞のかくれた恐ろしい部分を暴き出して本にした、合田道人さんの『童謡の謎3』を読んでいる。
先週教会の「歌の会」で私がリクエストして皆で歌った『ドナドナ』。
懐かしくて好きな歌である。
この歌は古くに作られたが、1961年にジョーン・バエズが歌ってヒットさせた。また1965年NHK「みんなの歌」で岸洋子が歌った。フォークソングの走りとして、また子供にも大人にも愛され続けている歌になった。歌詞を少し変えて教科書にも載ったそうだ。
哀愁の有るメロディーで心に残る歌である。
♪ある晴れた昼下がり 市場へ続く道 荷馬車はごとごと 子牛を乗せて行く・・・ドナドナドナ ドナドナドナ・・・。
しかしこの歌はは合田氏に寄ると、世にもおぞましい風景を歌っていると言う。
これは子牛に見立てられた人間が、強制的に列車に詰め込まれて運ばれて行く状景なので有る。
更にドナドナドナの意味も深い。
原詩は一説にワルシャワ・ゲットーの詩人が自らの経験を下敷きに作ったと言われている。イディッシュ語で書かれている。イディッシュ語は東方ユダヤ系の言語である。
彼は愛する妻や愛する子らを子牛に例えて、アウシュビッツに強制的に送り込まれるシーンを“荷馬車に乗る“とした。
原詩ではDANA DANA ではなくDONAY DONAYと書かれている。DONAYとはアドナイのことでは無いかというのだ。ヘブライ語で主よ神よの意味である。
彼らは悲しみのどん底の中で、主よ主よ主よと神さまに祈っていたのでは無いか、と書いている。
2番の歌詞の終わりは ♪もしも翼があったならば 楽しい牧場に帰れるものを・・・ である。
自由を求めて祈った辛い悲しい歌なのである。