a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

生かされて

教会の図書を借りて読んだ。
『生かされて(LEFT TO TELL) 』。
作者はルアンダのイマキュレー・イリバギザ。今は家庭を持ってニューヨーク州に住む。
1994年、奨学金を貰って大学生活を送っていたが、ルアンダの民族紛争の大量殺戮の中奇跡的に助かった。
愛する両親、兄、弟、多くの親族も殺された。
フツ族ツチ族が互いに憎悪をむき出しにして争った。フツ族政権はこの時百日で百万人を超えるツチ族を虐殺したという。
彼女は父の友達のムリンジ牧師に助けを求め、狭いトイレの中で3ヶ月のあいだ7人の女性とともに匿われた。
身動き出来ない狭い空間、極端に少ない食料、着の身着のまま、音を立ててもいけない、口の動きだけでお互いのコミュニケーションを取ったと言う。
極限の恐怖が続く中、彼女は祈りに祈った。祈って考える。自由になった日の自分をイメージして、フランス語を話せる彼女は牧師に辞書を借りて将来のために英語の勉強を始めるのである。
次の瞬間には見つかってすぐに殺されるかも知れない状況で、彼女はいつも魂の奥深くを見つめていた。祈るとイエス様は常に傍に居て下さっていると感じていた。
3ヶ月の後、奇跡的に自由を得た後も、自分の未来をイメージし祈った。そしてついに国連に勤務するようになる。
一番素晴らしいと思うのは、苦しみと悲しみのどん底に落ちながらも、悪魔を心に呼び込んだのに違いが無い虐殺者達を「許す」と云うのである。
この経験を語るために彼女は生かされたに違いない。

生かされて。

生かされて。