a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

ルツとボアズ

京都に『ボストン美術館展』が来ている。
朝刊で作品を紹介しているが、今朝は、ミレーの「刈入れ人たちの休息(ルツとボアズ)」だった。
説明に寄ると、50点を超える習作と構想スケッチを経て描かれた渾身の作品で、「種蒔く人」「落ち穂拾い」とおなじ1850年代に手がけられた。
主題は旧約聖書のルツ記に基づくとある。
モアブの女ルツは、夫が亡くなった後も夫の母ナオミから離れず一緒にユダに戻って来た。
ボアズは義父の親戚で有力者であった。
ルツは食べて行くために、落ち穂拾いに出掛ける。
その献身的な姿にボアズは惹かれて妻にするという内容。
旧約聖書の中でも短いけれど素敵な胸がときめくお話なのである。
ルツとボアズの子はオベデ、オベデの子はエッサイ、エッサイの子はダビデである。
ミレーは聖書には書かれていない場面を創作した。
この絵では、ボアズが休息中の使用人たちにルツを紹介するという場面になっている。
異邦人であるルツが、肩身の狭い想いをしないようにと思ったのだろう。人々の表情や姿勢等興味深い。
是非観たいと思うが、京都まで出掛けるのはこの暑さで大変だし、入場するのに並んだりして熱中症になるかも知れない。
会期は29日明日までだ。あきらめるしか無い。
ボストン美術館には過去に2回行った。
1度は、時間が後30分しかないからと、無料で入れて貰い(何とおおらかな)、印象派のブースだけ時間ギリギリまで観て、おみやげコーナーに行った。
2度目は、友だち2人を連れての見学。膨大な量の絵画を一通り観たが、この絵は記憶に残っていない。
その頃はまだ聖書に親しんでなかったから、無知とは情けない。無関心に通り過ごしたものと思われる。
残念なことである。