裏庭で著莪の花が咲いた。
いつもこの花の独特のデザインと色合いに見とれてしまう。
朝から庭掃除を楽しんだ。
可憐な草花も、あっという間に猛々しい雑草となってしまう。
今の間に心を鬼にして毟ってしまおう。
お風呂の椅子の古いのを利用して座ってむしる。
手が届かない場所は四つん這いだ。
草引きは考え事をするのに丁度良い労働である。
以前、夫の叔母が奈良に一人住まいをしていた時、一週間に一度訪れて庭の掃除や買い物や雑用いろいろを手伝っていた。
今なら介護保険でヘルパーさんにお願いできるだろうけど、今から40年近く前は当然嫁の仕事だった。
生涯独身で過ごして我儘だった義叔母は私の行くと延々とおしゃべりをした。
私が来るのを待っていたのだ。
昔の自慢話や、近所の噂、親戚の悪口、私へのお小言も・・・いつも同じパターンで「ふーん、そうですのん。はい、すみません」と相槌を打っているが、その内うんざりしてくる。
「お天気の良い間に庭の掃除をしてきます」と逃げる。
裏山は小高くなっていて、お隣の竹藪と隣接している。
私はここの草刈りが大好きだった。
山鳩が巣を作って卵を温めているのに出くわして驚くことも有ったし、夏近くなると蛇が出てきたこともあったけれど。
春は花粉症で、くしゃみが出る。
花粉症のくしゃみは突然で派手。
家に居た叔母が「あんた大きなくしゃみしてりゃ〜たな(彼女は名古屋の人)」と叱られたが、くしゃみは止められない。
義叔母は79才で亡くなったが、裏山には上がれなかった。
早くから病気ではないのに年老いた人だった。
今朝、草引きをしながら懐かしく思い出していた。
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今日、ようやく「緊急事態宣言」出る。