我が家の質素な床の間。
元気な頃は若松を宣徳薄端に活けて、これぞお正月!だったけれど。
お茶の先生をしている友人が年末に活けに来てくれた。
活け上がった若松に金銀水引をギュッと結んで出来上がり。
その後夫と遊びに来たNさんと4人で忘年会をして盛り上がったのだった。
毎年の行事だった。
今はシンプル。
蓬莱山の掛け軸にはよく見ると小さな鶴が二羽飛んでいて、波打ち際に二匹の亀がいる。
日の出に鶴亀・・・日本の伝統のめでたさを表現している。
我が家の先祖はこの軸の前でお節を食べてお酒に酔っ払っていたのだろう。
もしくは結婚披露宴も有ったと思う。
「尉と姥(白髪で腰の曲がった二人の老人)」の軸と「蓬莱山」は対になっていて結納とか結婚式に使っていたらしい。
現在の我が家のお正月は誰もこの前で飲み食いをしない。
どころか誰も入らない、普段から開かずの間なのだ。
陶器の兎も寒そうに丸まっているが、よく見ると「兎と亀」の取り合わせ。
お伽話の仲間が居る。
しかし兎は亀に負けたのだ。
うさぎさん、要らん事を思いついてごめん!
だから蹲っていじけているの?
床の間の前に座って想いに浸る暇な私のお正月。