a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

和服のこと

今の様に洋服が簡単に手に入らないで、普段どんな恰好で外出していたのだろうかと疑問に思うだろう。
真夏を除いて外出には良く和服を着ていたのだ。
踊りのお稽古、お茶やお花の稽古、観劇等は全て和服を着ていた。3分の2は和服で残りが洋服の外出着だった。
和服は親が買ってくれたし、仕立てるのは勿論呉服屋さんで、たまに銘仙の着物は母が縫ってくれていた。
半襟が汚れたりしたら自分で付け替えたり、足袋はお風呂に入ったときに手洗いし、裏返して干すのが正しいやりかた。
着るのも自分でさっさと着ていたから着物は意外と楽だった。
履物は草履ではなく下駄。四角いのはイヤで前が少し丸みを帯びたのが好きで何時も履いていた。
草履は柔らか物(訪問着等のちりめんの素材)を着たときしか履かなくて大切にして居た。お茶席やどこかの玄関で脱いだ時に、汚れたり痛んでいたりするとみっともないのである。
ただ、雨の日は困った。前に覆いの付いた利休下駄を履いて歩くと、雨ゴートを着てもぴんぴん泥を背中辺りまで跳ね上げるので、歩き方が悪いといつも母に叱られていた。
最近若い娘さんが和服姿で歩くのを見かけることが多くなった。胴長短足の日本人の体型には和服がよく似合う。特別べっぴんさんで無くてもどの娘さんも私には素敵で可愛く見える。