今日は日向ぼっこにぴったりの暖かい日。
園芸店のカタログを眺める。夏咲きの球根や種の写真を眺める。
これらを植えたらさぞ庭が美しからん〜と夏の庭を頭の中に浮かべて見るが。
これは想像だけで、無理なのである。
春から初夏は何かと行事が多くて、その上暑いのに弱い私。
そうなると折角植えた苗も種も放りっぱなしで枯れてしまう。
水やり無しでも育つ余程丈夫な花でないとダメなのである。
カタログをぼおっと眺めている。
私の父は年中事業に没頭していたが、唯一の趣味が庭に花を植えることだった。
最初は食糧難のために野菜を植えたのだったが、ゆとりが出来ると休日に園芸を始めた。
花の苗のカタログを見て取り寄せて植えていた。
ダリヤ、コスモス、ケイトウ、バラなどを植えていたような気がする。
沢山咲くと母が切って花束にして登校する時に持たせてくれるのだった。
満員電車に乗って行く私に。
ありがた迷惑この上ない。
それでなくても忘れ物も多いし、遅刻ぎりぎりの私が、学校に着くや花瓶に水を入れ教壇に花を入れるのは大変なことだった。
でも、授業の始めにコスモスの花が揺れているのを見た先生が「綺麗な花やな・・**(私のこと)持って来たんか?」と言ってくれたらちょっと嬉しかった。
通りすがりにバラの香りを嗅いで行く男子も居たなあ〜。
丹精して咲かせた父。
苦労して持ってきた私。
教室には優雅な空気が流れていたと思う。