a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

私のお父さん 旅 続き

その後、私は結婚して家を出た。

ずっと年月が経って、父が年老いてから叙勲で皇居に行くことになって、お付きの役が私に来た。

両親に付き添う筈の長女のC子姉ちゃんが急病で入院するかも知れないので、順番としては兄嫁Kさん、H子姉ちゃん、でも二人とも子供の世話で無理。

一番気楽な私にお鉢が回ってきた。

夫が「何でお前やねん?」と不服そうだったけれど、娘は中学生になっていたし、まあ、両親には夫もお世話になっていたから「あかん」とは言えない。

どこに泊まるのん?と母に聞いたら「大倉屋」というから、老舗旅館かな?と思っていたら、兄が「ホテルオークラや。ええで~」と言ったので「快諾」した。

 

母の着付け、袋帯を結ぶのを手伝うのが主な仕事で、後は病後の父は足が弱っていたのでその補佐。

兄も父の会社の人も大勢いたので私はほんのお付きの役だけで良かった。

その時思ったのは、勲章をくれるのやったらもっと若い時にくれたら良いのに・・・父はもう70代を半分過ぎていてよれよれになっていた。

 

ホテルオークラのレストランで素敵な食事が食べられるわ〜と思ったけれど、高齢の両親との食事は朝昼晩日本料理だった。

お部屋も日本間でお布団を敷いて寝た。

夜、兄がホテルの階上のバーに連れて行ってくれたから一応は満足したけれど。

 

ホテルの売店にファッション誌「vogue」が置いて有った。

兄は「こんな所やないと買われへんで、買うとき」と私に勧めるので買った。

大阪でも売っているやろし、本屋さんで見つけても多分買わへんと思う・・・。

言うとくけど兄が買ってくれたのではない。

だのに「ちょっと兄ちゃんに見せてくれるか」と言って先に熱心にページをめくって楽しんだのである。

あきれるわ。

 

行事が無事に終わって、沢山の人(東京在住の従兄Aちゃんも居た)の見送りを受け

新幹線に乗った。

東京を離れると、駅弁を用意してくれていたので、早速両親とくつろいで食べる。

緊張が解れてほっとして楽しい一時だった。

大阪駅にはC子姉ちゃんの夫K義兄さんが迎えに来てくれて、迎えの車で両親を送った後私を家まで送ってくれて、留守居の夫に礼を述べてくれたのを覚えている。

 

両親を私が独占できたのはこの時だけ。

楽しいお役目の旅行だった。