a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

生き残った珈琲カップ

今日は元気。

少し涼しくなったからかな?急に暑くなると体がついていかない。

 

食器棚の整理整頓をする。

好きな家事なので何度もしている。

その度に少しづつ処分しているのだけど。

 

結婚した時、食器棚にはお祝いで頂いたお皿や茶碗、ガラスの皿(兄夫婦からのプレゼントで今も使っている)や、夫の実家の半端になった古い丼鉢とか小皿を並べてそれで十分事たった。

今から60年昔の新婚世帯である。

 

家でコーヒーや紅茶を飲む習慣はまだ一般的ではなかったから、コーヒーカップは誰からも貰わなかった。

初めて手に入れたカップはこれ。

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誰かにプレゼントしてもらったのか、記憶があやふやなのだけれど、経済的に余裕が無かったので自分で買える筈は無かったと思う・・・?

西洋かぶれの私としては嬉しくて、お客用にも普段用にもこればかり使っていたので、欠けたり割れたりして現在2客だけしか残っていない。

 

時が経って、冠婚葬祭で、新築祝いに、また好きで集めたりして、60年の間に沢山の珈琲カップや紅茶茶碗が増えた。

だから、この2客は棚の隅で忘れられていた。

 

模様が昔の中国の景色、柳の木の下の橋の上で、3人の人物がランタンを下げて佇んでいる。

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まるで今嵌まっているドラマ「瓔珞」の舞台みたい。

メーカーはどこかというと、カップの底裏には、

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ダブルフェニックス ニッコー ジャパンと記されている。

ニッコーは金沢で加賀藩の藩主や地元の有力者の出資を受けて、1906年硬質陶磁器製造を掲げて創業した。

この製品名は「山水」。

陶磁器だから少し重く、その分冷めにくい。

 

中国の悲恋物語を描いた「ウイローパターン」は英国の生まれでヨーロッパで大流行したそうである。

表面にヒビが入っていて、乱暴に使ったからヒビが出たのかな・・・と思ったら、当時は技術的にヒビなしに焼くのは無理だった様で、古さの証明でもあって、こうなれば我が家のアンティークコレクションの仲間入りをするしかない。

 

ニッコーは白磁のお皿も生産している。

30年前に買った白磁ティーセット。

これは自分で好んで買い求めた。

1枚も割らず今でも愛用している。

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カップの底。

カップのお尻を見る癖は当分治らない。