a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

ラインは老女のおしゃべりツール

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小雨が降って、今日は小休止にぴったりの日。

 

中学校の旧友の間でラインが飛び交っている。

24名が登録しているが、発信するのは女性ばかりで男性は口を挟む隙がない。

 

ラインというのは長い巻物みたいで、今、それぞれの来し方の人生の思い出が綴られている。

暇なので喋って聞いて欲しいのだ。

85才。

今、どんな状態で有ろうとも、スマホを使って文章を書いて送るような生活を過ごせていられるのは人生の成功者といえよう。

 

幼稚園時代から、疎開のことから、疎開から帰って疎開先の訛りが治らず疎外感を感じたことやらと続く・・・ところでEちゃんはソフトボールで名ピッチャーだったね。

とEちゃんに振る。

 

Eちゃんの人生はすごい。

中学校に1年生で母を亡くして継母と折り合いが悪く、しんどかったこと(友だちは知っていた)

高校ではバレーボールの名アタッカーで大阪府の10校以内に入っていたとか。

これは同じ高校へ進学した私は知らなかった。

かなり仲良くしてたのに。

 

Eちゃんの不幸は続くというよりここから始まる。

高校を出てすぐ老舗の旧家に嫁ぐ。

しかし、姑と古くからのお手伝いさんに扱きを受ける。

子供2人できたところで夫の死去。

男の子は障害児だった。

長いトンネルの中のような人生。

神戸の震災にも逢った。

 

「私は今パーキンソン病というハイカラな名前の病気です」

施設に入っているらしいけれどカラッとして明るい。

文章も確かで前向きだ。

ラインが有ってよかったと思う。

 

その間に「孫が司法試験に受かりました」と嬉しそうに男性の発言。

「おめでとう」と言っているけど、孫自慢は醜い。

 

娘にそう言うと「嬉しいから言わしたげなさい」と叱られた。

 

今度はすぐアメリカに住むM子さんが、私の父が弁護士をしていました。との発信。

これもね〜

ひ・が・み

M子さんはアメリカで大学の先生をしていたが、退職しアメリカ人のご主人と優雅に暮らしている。

趣味はピアノの演奏で動画を撮って送ってくれる。

 

Sさんは医者だった夫が亡くなって47年になるという。

若くて未亡人になって男の子を育て歯医者にした。

歯科医院を開業した。

「この度、孫が医者になりました。

親子3代医者になってほっとしています。

亡き夫が喜んでくれているかと思います。」

 

この自慢も許して上げたい。

 

私は皆の話を聞くだけ・・・。

と、ある日「****さん」と私の名前が出てきた。

「*ちゃん、どうしてますか?貴女の歌が聴きたいわ」

 

私はラインが苦手、片目が悪いから入力しにくい。

間違いが多くてストレスになるので遠慮しているんだ。

でも、このことを含め皆の話題を楽しんでいる旨返事を書く。

 

すると、皆が昔貴女の家に遊びに行っただの、ご主人様が素敵だったの、とか口々に言ってくる。

「サンタルチーア」皆でまた歌いたい。

中学校の時言語で習ったのだ。

すごい盛り上がりぶり。

 

私は面倒だからスタンプで返す。

 

ラインは家にこもる老女のおしゃべりにぴったりのツール。

毎日巻物のようなお手紙が読める。

当分続くだろう。