ニュースに高齢者がお餅を喉に詰めて亡くなったことが出る。
喉の筋肉も衰えているから滑りが悪いのだ。
私の祖母は92歳まで生きたが、晩年のあるお正月、お餅を喉に詰めた。
現場に私は母と居た。
私は高校生だった。
母は「あ〜どうしょう」と顔が引き攣って祖母の背中を叩いたり撫でたりしていたら、そのうち「ごろごろ」と喉が鳴ってお餅はお腹に落ち着いた。
母と二人で「良かった〜」と胸を撫で下ろしたのだった。
母は86歳まで生きたが、そんな事件は起こさなかった。
と言って、今の私が絶対大丈夫だという保証はない。
お餅を食べるときは「おもち」と意識して食べよう。
キッチンの食器棚の引き出しに「吸引ノズル」と称するものが入っている。
これは喉に食物が詰まった時に吸引するもので、掃除機と繋いで引っ張り出すのだ。
いざ、と言うとき、娘はどこに入れたか覚えているだろうか。
一度予行演習をしておく必要がある。
兎に角、本人は口が聞けないだろうし・・・。
「2番目の引き出しよ〜」と言えないだろう。
状況を想像するだけでも恐ろしい。
喉を湿らしてから小さいお餅をゆっくり食べることに専念しよう。