暑い日々、庭にも出ることも出来ず、買い物にも行けない。
耐えるしかない・・・。
今日の映画はまた暑苦しい映画を選んでしまった。
好きな映画百選 no.21 山猫
1963年製作公開 伊仏合作映画 ルキノ・ヴィスコンティ監督
19世紀なかば、シチリア名家の当主サリーナ公爵ドン・ファブリッツォ(バート・ランカスター)の邸宅が舞台。
家族揃ってお祈りをする場面で始まる。
敬虔なカトリック信者の妻。
子供7人。
汗かきの神父さんが居て、広い窓のカーテンが風にそよいで涼しげだ。
ドン・ファブリッツォは次の場面では馬車に乗って堂々と夜遊びに出かける。
甥のタンクレディ(アラン・ドロン)はイタリア統一戦争に参加して怪我をして頭に黒い鉢巻をしている。
ハンサムな顔が隠れて勿体無いと思うけど。
成り上がりの市長の娘(クラウディオ・カルディナーレ)が登場。
美しく溌剌として魅力的な女性でタンクレディは心奪われてしまう。
この映画は実際のイタリア貴族の末裔(ランぺドーサ)が先祖のことを書いた歴史小説「山猫」を元に映画化された。
「山猫」はシチリア貴族の紋章。
この長~い映画の3分の1が舞踏会のシーンである。
こだわりの監督がこだわりにこだわった暑い日に観ていてしんどくなる場面(若い時に見た時はしんどくならなかったのだけど)。
それにしてもイタリア人は長い舞踏会を過ごす体力が有るなあと感心する。
着飾った女性たち、ご馳走を食べてワインを飲んで、踊って、最後は大勢で手を繋いで屋敷中を踊り歩く・・・すごい。
実際の撮影では灯をローソクに拘って、そのため熱気がすごく暑かったらしい。
舞踏会が終わった。
時代の流れの中で、自分の衰えと貴族の立場の変化を受け止め一人街の中を歩いているドン・ファブリッツォの姿があった。
今回久しぶりに観て思ったことは、バート・ランカスターが魅力的。
表情を変えず、どっしりして、それでいて彼の微妙な心の中が感じ取れる。
若い時には見えない良さが、年老いた今になって分かることが多い。
次はもう少しさっぱりした涼しげな映画にしよう。