a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

真夏の大掃除

クルミちゃん上目使い。

 

エアコンを消して眠れるって嬉しい。

明け方、肌寒さを感じて目が覚めた。

酷暑はもう終わったのかな。

 

子供の頃の思い出に暑い夏に行われる「大掃除」というのがあった。

年末の大掃除ではなく、8月のかんかん照りの時に町内で一斉に行われた。

役所から通知が来たのだろうか。

8月何日大掃除を行います・・・って。

 

家中の畳を全部上げて庭に立てて並べて風を通すのだ。

畳を上げるには家具も動かす必要があったし。

障子や簾も外して庭へ運び出す。

昔の家はどの部屋も畳を敷いていたから、すごい数だ。

男手がいる。

我が家では近所のじゅうちゃんと言うおじさんの他、お店の使用人数人が手伝いに来た。

お婆さんは邪魔になるから木陰にゴザを敷いて座らせていた。

 

畳を取り去った部屋は楽しい。

床下から涼しい風が吹いて来る。

畳の下には新聞紙が敷いてあったので取り去って新しいのに替える。

1年前の新聞というのも面白くて、お兄ちゃんはしゃがみ込んで読み耽って叱られたり。

 

私たち姉妹は雑巾搾りの仕事だった。

井戸水は冷たくて気持ちよく苦にならない楽しいお手伝い。

 

お昼を過ぎると畳をパンパン叩いて部屋に戻す。

畳が元の位置に収まって家が元通りなると井戸水で冷やしてあった西瓜を食べるのだった。

 

真夏の大掃除の習慣はいつ無くなったのだろう。

ここまで書いて思ったのは今これをやったら熱中症で全員倒れる。

あの頃は真夏でも30度を超えることはなかった。

勿論エアコンなんか知らない。

 

今はフローリングの部屋が多くなって、うちの家も畳が敷いてあるのは一部屋だけ。

しかも猫が障子や畳を傷めるので開かずの間になって久しい。

 

畳の部屋は寝転がって昼寝をするのに気持ちが良いのだ。

開け放った北の縁側から南の縁側に吹き抜ける涼しい風。

 

風鈴がチリンと鳴って。

懐かしい故郷の家。