今朝の窓辺
爽やかだけれど、日差しは強い。
新しい点眼薬のせいで、目がしょぼしょぼしているので、サングラスを掛けて買い物に行く。ばったり友達に会ったりするので、外出は良い。
買い物を済まして帰る道すがら、かなりのお年寄りがカート付きの椅子に座って休憩していた。
そこは大きな桜の樹の葉蔭で涼しそうだ。
「気持ちの良い場所で休憩なさってますね」
と、通り過ぎながら声をかけてお顔を見ると、キョトンとしてお返事は無し。
「・・・」
服装も髪も清潔で整っているし、誰か家族が迎えに来るのを待っているのかな?
気になる。
認知症の迷子のお婆さんでなかったら良いのだけど。
交番に届けなくて良かったのか?
迎えに来た家族に「いらんことしてもらって迷惑」と叱られても嫌だし。
午後、裏庭の草引きをして立ち上がったら、裏の新築工事の大工さんと目が合った。
「新しいおうち綺麗に出来ましたね」
と声をかけて労ったら、
「へえ」
だけ。
昔の職人さんなら、
「へえおおきに、いつも喧しくてすんまへんな〜」
ぐらいは返してくるのが普通だったけれど。
もう私の住む世界は普通じゃなくなったのだ。
知らない人に気安く声をかけたらいけない世の中になってしまったらしい。