朝、雨が上がったので、側溝の落ち葉を取り除き、草を抜いた。
少しの時間なのに、お向かいのご主人、筋向いの奥さん、どこの人か知らないけど顔見知りの近所の女性と挨拶を交わす。
偶にはご近所さんに顔見せをして、元気に生きていると知らせておかなくてはいけない。
そのあと予定通り、ガラス戸棚の整理をする。
本棚とか食器棚とかの掃除は趣味と言って良いほど好きなのだ。
ただ、時間が無いだけ。
全部出して綺麗に拭いて、ガラスのコップは綺麗に洗って乾かして再び並べる。
どれも捨てられないで、元に収まった。
お人形が出てきた。
1970年の万博のお土産のドイツの人形。
私はその前の年の9月から5ヶ月間入院をしていて、まだ回復途上にあったから行くことはできなかった。
幼かった娘が夫と二人で行って、ドイツ館で、人形が好きな私に買って来てくれたのだった。
余談だが、この時あの大勢の人々がいる万博会場の中で、同じ年の従姉妹のsakuraちゃんにばったり出会ったという。
彼女は小学校の遠足で来ていた。
世の中には不思議なことがままある。
二人は今も大の仲良しだ。
人形に戻ると、長年大切にしていたが、ある日飼い犬のランちゃんが、私の長電話に嫉妬して人形を咥えて振り回した。
帽子と、靴がくちゃくちゃになって・・・だからスカートで隠してある。
数年して夫とドイツへ行った時に、同じようなチロルの人形を買ってきた。
万博のお土産の人形も、こんなチロルハットを被っていた。
二人とも、再び綺麗に磨き上げたガラス戸棚の中に収められた。