a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

短気な犬シロ

昔の犬は短命だった。ろくな餌も食べていないし、予防注射もなかったからフィラリアなんかで死んだ犬も居た。
ハッピーの次に飼った犬は『シロ』。白い日本犬だ。
お利口な犬だったけど、気が短い。
ある日、兄が散歩をさせていると、道端でシロがおしっこをし始めた。そこに通りかかったのが近所のおばさん。
その人は、子供から見ると化粧が濃くて少しお色気過剰だった。私達はそのおばさんが大嫌いだった。
多分シロも嫌って居たのだと思う。
おばさんは立ち止まって、ちょっと品を作って「あ〜ら、シロちゃん、おしっこしてるのね」と気取ったアクセントで言ったものだ。
見りゃあ解るっていうのだ。
するとシロはくるりと振り向いて、おばさんのお尻をいきなり「ガブッ」と噛んだのだった。
犬でも用を足している姿は余り見られたく無いのだ。プライドがひどく傷ついたのだろう。
幸い大した怪我では無かったが、おばさんは怒った。
事情はどう有れ、飼い犬が人にかぶりついたのは、飼い主の責任だ。後始末は大変だったと思う。
犬を飼うのは大変なのだ。つづく。