a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

宇野先生の思い出

ずぼらな私は大失敗したことが有る。6年生の時夏休みの宿題の絵が描けていなかった。父が白浜へ海水浴に連れて行ってくれたが、写生をする時間がなかった。他に特別珍しい題材も見つからず、しょうがないから絵はがきを見て描いた。浜辺と右の方には松の枝が張り出していて構図としてはまずまずで、どうにか仕上げて提出した。担任の宇野先生はじっと見てから「この絵はほんまに写生したんと違うやろ?」とおっしゃったのである。
図星で、反論出来ない。小さい声で「絵はがきを見て描きました」と言った。先生は「写生する事が大切やねんで」とおっしゃった。
先生の絵を見る力は確かなのやなと先生を尊敬するようになった。
先生は絵と音楽が得意で、幼い私はどちらも強く影響を受けている。対象物をしっかり見て写生をすることを教えて下さった。そしていつも褒めて下さった。
先生が亡くなられて10年以上経つが、6年生のときのクラスメイトとは大の仲良しで『6年4組宇野学級』というネーミングで良く集まっている。皆先生が好きだったのだ。その中でコーラスをしているのは6人も居る。そのうち2人は男性だ。先生の影響は大きい。
奥様にお聞きして揃ってお墓参りもした。
今もごまかしたりずぼらをしようとする時、「宇野先生にバレるがな」とふと思うのである。