70年以上生きていると、大抵の世の中の難題は上手く対処出来る自信があるのだけれど、こればかりはいつも難儀やなあと思うことがある。
それは穏やかに付き合っている人から、ある種の商品を勧められるとき。化粧品とか、健康食品とか。昔は保険も有った。
今朝、門の前を掃除していて近所のMさんと立ち話をしていたら、ふと彼女が真顔になって、自分が使っていて良いという化粧品を勧めた。
2年前から使っていてとても良く、顔に張りが出て来てファンデーションも塗らなくても良いというのだ。試しに手にでも塗ってみる?と言った。
私の顔は、最近しょぼくれて来て皺も目立っているし張りが無いのは確かだし、彼女の売り上げに協力したい気持ちも無くは無いのだけれど。
そこで化粧品の名も聞かず、やんわりと30年昔から同じ化粧品を使っていて、変える意志が無いことを告げた。
彼女も強く言う訳でなく「忘れて、聞かなかったことにしといて」とその話は終わった。
専業主婦がお小遣いを稼ぐのに、化粧品の販売は結構多い。
どこの化粧品でも他所のより良いと勧めるのは当然だ。アトピーにも良いと勧める。使ってしばらくしたらブツブツが出来ても、始めは皮膚の悪い物が出て来ている所為と片付けられたことも有る。
お得意を増やして裾野を広げるマルチ商法まがいも有ったし。
折角穏やかに付き合っていて、化粧品のトラブルで気まずくなるのは困りものだ。
別れた後、それでも断って良かったのかな、としばらく頭を悩ませた。