a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

雛まつり

a-doll2009-02-28

夫のベッドの向かいの患者Sさんは脳梗塞なのだが良くしゃべる。一見正常な風なのだが、しゃべる内容はとんちんかんだ。元気な時は絵を趣味になさっていた様で、個展をした時の水彩画の縮小版を見せて頂いた。中々達者な素敵な絵なのである。
スイスやベルギーでのスケッチも有った。
「これは油絵でも描いているのです」と奥様がおっしゃった。
発病まではご夫妻で海外旅行を再々楽しんで居られた様子。今や、ベッドで寝ているのも病院だと自覚出来ないようで、私にも「お勤めはどうしましたか?」と聞いて誰かと混同しているようである。「今は働かないで遊んでおります」と答えたら「あ、そう」とおっしゃった。
我が夫は相変わらずだんまりなので、夫に娘が「お父さん**やろ?」と聞いていたら、代わりに向いのベッドから「はい」と答えて下さる。
付き添いの奥様は大変だけれど、やり取りがユーモラスで楽しくなる。
元気になってまた絵筆を持てる様になられると良いな、と思う。
今日は床の間に立雛の軸を掛けて、木目込みの立雛を飾った。玄関にはガラスケース入りの木目込みの段飾りを置いた。今年のおひな様はこれだけ。
古いおひな様を全部飾ることが出来る日が来るだろうか。
今日の花:金のなる木