クルミ 12才の誕生日。
春のぽかぽかお日様に当たって眠いのよね。
ママが写真を撮るのは嫌い。
12年前、夫が亡くなって気が抜けてしまった母娘が見つけた「猫の仔貰ってください」のミニコミ紙の広告。
夫の告別式の日に生まれたと書いてあった。
「猫の仔、見に行けへん?」
若い男性が捨てられていた子猫を拾って育てていたが、旅行をするので実家に預けている間に妊娠してしまった〜
4匹の子猫が生まれちゃった〜
どの仔も可愛いから全部売れて、残っていたのがクルミちゃんだった。
可愛いけれど、しばらくは目が回りそうだった。
おかげで夫が亡くなった悲しみをしばし忘れることが出来たのだった。
12年も生きた猫は人間の言葉を理解しているし、かなり要領も良い。
私は日々操られている気がしないでもないけれど、悲しいことも辛いことも癒してくれる良き家族なのだ。