四季を通して咲き続けるゼラニウム。
・・・たいして手入れもしないのに。
毎日、暇だから観る映画の数々。
最近肩こりと首の痛みが取れないので、ブログに書くのも骨が折れる様になってきた。
でもこの映画はちょっと書いて記憶に残したい。
2018年 米、英、仏 合作映画「天国の門 ゴッホの見た未来」
監督はジュリアン・シュナーベル。
彼はベテラン俳優でゴッホには年が取りすぎているが、これぞゴッホ!という鋭いちょっと怖い顔になっている。
耳を切ったすぐ後の顔は自画像そのままで、怖い。
ピリピリした神経の持ち主ゴッホそのものである。
そんなゴッホを援助する弟テオはルパート・フレンドが演じている。
俳優としてずっと若いが優しいテオだ。
画面は終始ゴッホの黄色を強調して撮っている。
麦わら帽子を被って背中に絵の具箱を背負ってアルルの自然の中を歩くゴッホ。
アルルでは村の中で嫌われ者で孤独である。
ゴーギャンが来ても相容れない。
ついに衝動的に耳を切り落としてしまう・・・。
サン・レミの精神病院を出てから過ごすオーヴェル=シュル=オワーズで、最後にピストルが鳴ってゴッホは死ぬわけだが、妄想と幻覚がごちゃごちゃで、本当の死因は謎として描かれている。
牧師の子だったゴッホはそんな精神状態の中でも神を求めているのだ。
最近になってゴッホのデッサンのノートが発見されたらしい。
映画の中では、絵のモデルとなった女がくれたノートに細かくデッサンを描いたが、そのノートは女がひょいと棚において終わってしまった。
ゴッホのあの独特の絵はこれからも新しく解明されるだろう。
厚塗りの絵の具の下に彼の緻密な精神構造が隠されているのだろう。
ゴッホの伝記映画や舞台は数々見たけれど、一番ゴッホをしっかり描いている様に思えた。
若い頃、南フランスへ絵画の好きなグループに誘われて行った経験があるが、そのときオーヴェル=シュル=オワーズのお墓にも行った。
生きている間に彼の絵を理解してあげて欲しかったな、と思って、今でも可哀想で涙が出そうになる。