今日も一日中雨が降る。
金曜日は午前中にお掃除をしにヘルパーさんが来てくださるので、どこにも出ず、家での休養の日となる。
ヘルパーさんは仕事が終わってから、書類を書いて帰られるが、その間におしゃべりをする。
楽しい時間だ。
聞き上手で、私もペラペラ喋ってしまう。
そこで、ふと気がつく。
40年ほど昔のことである。
70代後半だった夫の叔母のお世話をしていた頃、1週間に1度訪問すると、彼女は待ってましたとばかりに私を捕まえてお喋りが始まる。
昔話・・・これは夫の家の歴史でもあるので聞いていて面白い。
噂話・・・テレビで見るタレントの話の間は良いけれど、身内の話(多くは悪口)。
お説教・・主に私と夫への要望、お叱言。
夫はこれが嫌いで足が遠のく。
足繁く通う私が代わりに叱られるのだった。
毎回、これを繰り返されて「耳にタコ」となると、反対の耳から聞いた言葉が流れ出てしまう特技が生まれた。
それでも段々堪忍袋が切れそうになったら、
「ちょっと庭の掃除をしておきますね」と上手く逃げた。
うっかり反抗的な発言をしてしまうと、いつまでも覚えていられて、後々支障をきたした。
その時に、私が年老いた時若い人に鬱陶しい話はしないでおこう、と心に思ったものだ。
今その状態になっているから、ヘルパーさんに「何度も同じ話を繰り返すかも分かれへんけど、堪忍してね」と言っておいた。
彼女は「そんな心配は無用です」と言う。
プロなんだ。
多くのお年寄りの繰言を聴き慣れている。
「なんでも喋って下さって構いませんよ〜a-dollさんとのおしゃべりは楽しいです」
と言ってくれた。
良い女性である。