ひよちゃん、もう行ってしもたん?
クルミちゃんが座っているから、ひよちゃん怖わ〜て来えへんのやわ。
朝刊のパズルを解いていたら、コーラスの友だちTさんから電話が掛かった。
木曜日の練習の休み時間に「スマホのYouTubeの見方分かれへんかったら教えてあげるよ」と偉そうに言ったものだから、
「今行っても良い?」と聞いて来たのだ。
「良いよ、来て」
彼女の家は教会の近くで、わが家までそう遠くない。
YouTubeで演奏されている「はっか草」と「薔薇の香りの夕暮れ」を聴きたかったのだ。
娘が2階から降りて来て、彼女にラインの使い方、簡単にYouTubeを見られるように教えてくれた。
これでTさんは家でゆっくり聴けるだろう。
娘が出かけてから、二人で練習をする。
スマホの使い方ではなくて歌の練習を。
Tさんは私より3歳年下だが、早くに夫を亡くしてずっと一人暮らし。
寂しかったらいつでもラインで電話しておいで、と約束する。
もうちょっと長く生きると仮定して、楽しく生きて行けるように、先輩として体の鍛え方、背筋をまっすぐに保つ方法、などなど、偉そうに指導をする。
コーラスの練習というのは、ほとんど歌ってばかりでゆっくり喋る機会はそうない。
今日は普段聞けなかった幼い頃の話や色々しゃべって楽しかった。
Tさんは腰を痛めて杖をついている。
今日来る時に杖をついて来たはずなのに、玄関に見当たらない。
「玄関で迎えた時、杖をついてなかったよ」
「不思議やわ〜」
さよならしてしばらくしたら又戻ってきた。
うちに来る途中で、久しぶりに来たもので道を間違えたので、スマホで私に聞こうとリュックを下ろしてたら、置いた杖をその場所に置き忘れて来てしまったのだ。
もしや?と思って見に行ったら「有ったわ」。
しっかりしてや!Tさん。