裏庭に金柑が鈴なりに成って金色に光っている。
さてこれをどうするか?
もうちょっと待ってね。
まだ柚子の始末も終わっていないのに、あまりにも忙しい。
35年前に家を建てた時、裏庭に考えもなく、すだち、柚子、レモン、ブルーベリー、ブラックベリー、いちじく、それから金柑の苗を買って植えた。
レモンと、ブルーベリーは相性が悪かったのか枯らしたが、残りの苗はスクスク育って季節ごとに実をつけて私を楽しませてくれた。
樹木は年々大きくなる。
収穫できる実は年々大きな実をつけて増える。
私は反対に年々弱って作業が難しくなる。
「お母さん、道の駅で売ったら?」
「家の前に並べて箱を置いてお金を入れてもらったら?」
娘は冗談に出来もしないそんなことを言う。
「徹子の部屋」で一昨日89歳で亡くなった中村メイコさんの追悼番組を映した。
1980年代から順番に過去の映像を観たが、人間はこうして老いて死んで行くのだってことが良くわかった。
若い時は自分がお婆さんになるって想像できないのだけど、幸運に恵まれて高齢になるまで生きたら、こんなになるよ、って言う見本みたいだ。
中村メイコさんは少女の頃から雑誌「ひまわり」にエッセイや詩を投稿していて、早熟な少女だった。
少しだけお姉さんだけど、同世代が逝ってしまうのはやはり寂しい。