未亡人になって、年老いて年金暮らしの生活は厳しい。
中学校の友人Aちゃんは、この前「新聞代高いからやめようかと思てるねん」と言った。
私もずっと毎朝新聞を読んで来たけど、目が悪くなって細かい字が読めなくなっている。
紙面の1割ぐらいしか読んでいない。
家計簿に記入しながら、ふと「新聞やめよかな?」って考えが頭を過った。
娘の世代は早くからネットで読むようになっている。
「お母さんもiPadで読んだら?」と言う。
確かに紙に印刷された文字より、パソコンやスマホの方が読みやすい。
しかしなあ。
毎朝、テーブルに広げて捲りながら面白そうな記事を「へえ〜」て、むかついたり驚いたり感動したり笑ったりしながら読んできた。
心が揺れ動いた。
しかし。
昨日から新しい小説「G線上のアリア」が始まって、面白そうと読み出して、また「横尾忠則」さんの”語る”を読むと、彼は私と同い年で幼いときは弱い体だったのに、この年まで生きている喜び・・・なんて読むと、私と一緒やんか、と明日も続きを読みたくなる。
朝早く配達してくれる人の働きを思ったりして、やっぱり新聞はやめられへん〜。
新聞代をケチるなんて我ながら浅ましい了見だと思い直した。
他を慎ましく暮らしたら良いのだし。
全部読まなくても良い。
紅茶を飲みながら、もしこぼしても読んだ後は古紙になるのだから、どうってことない。
天声人語を読んで、見出しを見て面白そうだったら天眼鏡を持ち出して読んで、週刊誌の広告を見て世間のゴシップを知るだけの私でもええのと違う?