a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

夫の父のこと

a-doll2006-07-17

昨日、手水鉢のことを書いたら、突然夫の父のことを思い出した。
舅は明治29年生まれ。典型的な名古屋人で、物を大切にし、金銭の使い方も厳しかった。
晩年は特に細かくなって少しの出費も嫌がって、電車は株主優待の有る電車だけ乗る。お金を払ってまでバスにも乗らない。
ある寒い日のこと、私たち家族が駅からタクシーで奈良の叔母の家に向かっていたら、義父が寒い中てくてく歩いているのを発見。
夫はあかんたれだから、寒い中を30分も歩く等もってのほか、バスも待つのはイヤで、すぐタクシーに乗るのだ。「お父さん、一緒に乗って行きいな。」等とえらそうに言って、夫は義父を乗せたのだった。
封筒も使ったのを裏返して使っていたし(今なら100円ショップで売っているし、まさかそこまでやらないだろうけど)、荷物に掛けてあるシデヒモも、きれいに解いて丸める。包み紙もそう。以前はデパートの案内の封筒を持参すると粗品なる物をくれたが、義父は大阪中のデパートの粗品を集め歩いていた。
それほど始末して暮らしながら、本当に必要な時はお金はポンと出してくれた。
月賦で買うのはみっともないから、我慢してお金を貯めてから買うように、と夫はいつも言われていた。
せっせと身体を動かして、大工仕事や庭仕事、大屋根に上がって瓦の修理までしていたから、83歳で亡くなるまで姿勢も良く元気だった。
無駄な事はしゃべらず、無口な人だった。
夫は親子なのに余り似ていない。
夫はおしゃべりだし、大工仕事も、庭仕事もようせん。歩くのも嫌い。お金も無駄使いばっかりしているのである。