a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

おしゃべりな見舞客

病院に着くとN村さんという看護士さんが「今日又しゃべりはったのやけど、誰も信じないねん」と言った。
「Aさん、痛い?」と聞くと「いや、いたない」と言ったらしい。
夫は一週間に1度位の割合でポツリとしゃべる。
いつもN村さんの時なので「うそを言っている」みたいなのだ。
「私は信じているよ」とN村さんに言っておいた。今は本当だと信じている。
今までに発した言葉は「いや、まだ」「いらん」「いや、いたない」の3つ。こうして並べると共通点が有る。
頭に『い』が付く。わたしも「い」だけ聞いたことがあるが『い』は夫にとって言いやすいのかも知れない。
それとN村さんと何か波長が合うのか、気が楽になるのかも知れない。愛くるしい素直な感じの看護士さんである。
夫の俳句の友達Nさんがお見舞いに来てくれた。彼女はしゃべるのが好きで、情熱的に夫に話しかけて力づけてくれた。今までなら電話で1時間も夫としゃべっていた人なのである。夫は黙って彼女のおしゃべりを聞くのは嫌なのか、アクビを連発した。笑いもせず握手もしなかった。
わざわざきてくださっているのに申し訳ない。
一緒に帰る。歩きながらも車中でも別れるまで、ずっとおしゃべりされて、私も少々疲れた。