a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

夫の母のこと3

a-doll2009-05-12

何も資料が無いところから人物を描写するのはプロの作家でも大変だろう。
でも何も資料が無いけれど愛しい「ひでさま」像は、私が想像してみることにしよう。
「ひでさま」は背が高くて少しなで肩、日本人にしては手足が長くて着物を着るのには適しない体型だった。顔は夫が言う様に特に美人というほどでもないだろう。でも女学校の写真を見る限りでは夫に似た顔で、睫毛の長い愛らしい目元をしている。
性格は穏やかで、陽気、のんびりしていて、本を読んだり芝居を観に行ったり、友達とお茶をしてだべったり、お手伝いさんを雇ってもらって、気楽に主婦業をしていた。
夜、夫の父が会社から帰宅すると、耳掃除を片手に部屋一杯に新聞を読み散らしていたと言う(叔母のはなし)。
32才の若さで無くなった時に付けられた戒名が『安住院妙行日秀大姉』で「これは死ぬまで安楽に暮らしてりゃーたからこうつけた」とこれも叔母の話。
叔母とは同じ年でクラスメイトだけれど、特に仲良しだった訳でも無さそうだが、1度、叔母が大阪へ遊びに来た時に子供を抱っこして、鳴門の渦潮を観に行った。抱っこしている子供が重いので「Kさま、ちょっと代わってちょうす?」とひでさまが云うので「あんたの子やで、我慢してあんた抱きゃーの」と云う様な会話をしたとか、叔母から聞いた二人の仲を推し量る唯一の思い出話だ。
鳴門でも記念の写真を、撮っただろうに、残して置いて見せて欲しかった。20代後半の和服を着た女性と赤ん坊と鳴門の風景。
今頃夫は天国で「ひでさま」に会って何をしゃべっているだろう。

今日のくるみちゃん:回る洗濯機が不思議。