a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

エル・グレコ展

教会の友だちY田さんと国立美術館へ「エル・グレコ」を観に行く。
小雨が降って少し寒い日だったが、傘を差すこともなく到着。
レストランで先に昼食を済まして、ゆっくり鑑賞する。
コントラストの強いスペインらしい絵画である。
天からの神の光の表現はさもありなん!という激しさで描かれている。
「無原罪のお宿り」や美しい「白貂の毛皮をもとう貴婦人」「受胎告知」「聖家族」など見応えが有る絵の数々。

でも、Y田さんと私が同時に感動した絵は「聖パウロ」だった。
エル・グレコは12使徒の肖像を沢山描き残したようだが、若くハンサムなヨハネ、しっかりした顔のペテロも、なるほどと納得できる立派な肖像画だった。
しかし、パウロは私の想像と違う存在感を持って描かれていて、胸の奥から熱いものが沸き上がって来た。
特に目が印象的で、病気だと言われたパウロだが、衣から出ている手は青白く病的だし頭頂部が薄くなっているが、意志の強そうなしっかりした顔に描かれている。
2時間ほど沢山の絵を観て出口に差し掛かった時、どちらからとも無く「もう一回パウロ見えへん?」ということで戻ってしばらくパウロの前に佇んで、しっかり目の奥に刻み付けたのだった。
これからエルグレコ展を見ようとなさっている方は是非パウロを観て頂きたい。
Y田さんは読書家で博識、聖書の内容もしっかり把握なさっているから、教えてもらうことが多かった。
肥後橋でリーガロイヤルインのロビーでおしゃべりをして鑑賞の余韻を楽しんだ。
良い休日だった。