ヨナ書 ピーテル・ラストマン1621年 Jonah and the Whale
ヨナ書は聖書の分類で言えば「小預言書」に属する書で、
「大預言書」のイザヤ書やエレミヤ書のように何十章もある書ではない。
わずか4章の書物であるが、大魚に呑み込まれると言うストーリーの展開の面白さ、また神に従順であるべき預言者が神に不従順を示すと言う誰にもある弱さ、そして人の心根に潜む自己中心的な性質を取り扱う点で、深い書である。
子供讃美歌に取り上げられたりしている。
♪ヨナ、ニネベにいらっしゃ~い
いいえ、いきたくな~い
更に旧約聖書でありながら、外国人への世界大的愛と言う極めて新約聖書的なメッセージを含んでいるユニークな書である。
金剛バプテストキリスト教会婦人集会 牧師 中西正夫
ヨナ書(1) 逃亡者ヨナ
第1章は、預言者ヨナが神から外国の大国アッシリヤの首都ニネベに神の言葉を伝えるという使命を受けたが、従わずに逃亡してしまう場面である。
聖書 ヨナ書1:1-17
1、神から逃亡するヨナ
紀元前8世紀、神の命令を拒否し(なぜなのかは4章で明らかになる)北の国タルシシュに逃亡する。
そこで嵐に会う。3、4
※問題から逃げても、問題に追いかけられる。問題の自然消滅は無いのだ。
しかも周りの人を巻き込むだけである。
今日、もし御声を聞くならば、
あなた方の心を頑なにしてはならない。 ヘブル4:7
2、水夫たちの二つの「恐れ」
嵐に遭遇し水夫たちは恐れた。5
この恐れは自然の脅威を恐れる「恐れ」。
地震、雷、台風、大雨、洪水・・・を恐れる「恐れ」である。
しかしここから次の恐れに行く人は幸い→「主を恐れる」16
※自然界における人間の無力を悟って主を恐れる者は幸いである。
主を恐れることは知恵の初め
聖なる方を知ることは悟りである。 箴言9;10
3、不従順のヨナを助ける神
神は「大魚」を備えて嵐にもがくヨナを呑み込ませた。17
神は不従順なヨナを放置されたのではなかった。
ふさわしい助けを備えておられた。
不従順に突っ走る時は、心が素直ではなく、ひねくれることが多い。
その後、頭を打って傷心するのだが、最も良い癒しはしばらく神の御手の中だけで静まる時を待つことである。
大魚の中はヨナが嵐から守られ、自分の不従順な行動を反省する最も良い時であった。
立ち返って静かにすれば
あなた方は救われ、
落ち着いて信頼すれば、
あなた方は力を得る。 イザヤ30:15