8月に入った。
8月は戦争が悲惨な傷跡を残して終わった月。
戦争がもたらした悲しい映画といえばこの映画。
私の好きな映画百選 no.23 「ひまわり」
一昨日 眩暈がしたのでベッドで横になってFM放送を聴いていた。
小原孝さんの「弾き語りフォーユー」でヘンリー・マンシーニの映画「ひまわり」の曲のピアノ演奏を聴いた。
哀切なメロディを聴いただけで、一面のひまわり畑と必死に夫を探し回るジョヴァンナ(ソフィア・ローレン)の姿が浮かんでくる。
実際に映画撮影はウクライナで撮影されたという。
1970年製作イタリア映画 監督はヴィットリア・デ・シーカ
この映画ほど悲惨な物語はない。
海岸で知り合って恋に落ちたアントニオ(マルチェロ・マストロヤンニ)とジョヴァンナ(ソフィア・ローレン)は結婚式を挙げる。
しかし戦争に取られそうになってジョバンナは行かせないよう画策するが、それが仇になって過酷なソ連戦線に行かされることになった。
「土産に毛皮のコートを買ってくるよ」と言って出征して行く夫を見送るミラノ中央駅。
戦争が終わって何年経ってもアントニオは帰らない。
ジョヴァンナはアントニオを探しにソ連に向かう。
なりふり構わず探しまくるが中々見つからない。
ようやく情報を得て辿り着いたが、そこには美しいロシアの女性マーシャ(リュドミラ・サベリーエワ)と幼い娘カチューシャがいた。
マーシャに雪の中から助けられて、瀕死の状態だったので記憶をしばらく失っていたアントニオの新しい家庭が有ったのだった。
マーシャは仕事から汽車で帰ってきたアントニオとプラットフォームで会わすが、ジョバンナは思わず汽車に飛び乗って去った。
車中で慟哭するジョバンナ。
アントニオは毛皮の土産を持って帰る約束を忘れていなかった。
最後に再び別れを告げて去ってゆくアントニオを見送るのは、出征兵士を見送った時と同じミラノ中央駅のプラットフォームだった。
終戦時、私はまだほんの子供だったけれど、戦死の報が届いて、仕方なく夫の弟と再婚させられ新しい生活を始めたら、戦死は誤報で夫が生きて帰って来た、という話は多く聞いた。
子供心になんて可哀想な人達なんや〜と思ったものだ。
ウクライナのひまわり畑の美しさと裏腹にしつこく残酷なロシアの攻撃。
人間は何年経っても愚かな行為を終わらせられない。