「百選」としているのに中々進まない。
まだ三分の一も行ってない。
百まで行かないうちにヘタってしまうだろう。
頑張らなあかん〜
1954年 クロード・オータン=ララ監督フランス・イタリア映画
何年振りか久しぶりに見た。
ジェラール・フィリップの没後50年を記念して、未発表の部分も再編成してデジタルリマスターされた映画。
185分もの長い映画で、最初に見たのは10代だったから、元気で少しも長いとは思わなかったが。
今回は途中で休憩して、コーヒも入れたりして楽しんだ。
この映画の好きな理由は、何といっても主人公ジュリアン・ソレルのジェラール・フィリップの魅力に尽きる。
生涯を通じて素敵だわ~と思った男優は沢山いるけれど、何といっても彼が一番素敵!!
何を着てもどんな靴を履いても格好良いし良く似合う。
本当に若くて死んでしまったのは残念だけど、老いて醜くなった姿を見なくて良かったかも知れない。
彼の素敵さを並べるだけで、この映画の感想は終わりそう。
もう一人懐かしくて素敵な出演者は、人妻ルイーズのダニエル・ダリュー。
私はこの女優も10本の指に入れたいほど好きな女優だ。
若い頃って時間もあったのか、同時にスタンダールの原作も読んだのである。
映画を見たり、翻訳の長い小説を読んだり、学校の成績が良くなかった理由がここに有る。
高校では西洋の文化に触れさそうと、外国映画鑑賞を奨励して映画の割引券をくれたので、期末考査が終わった日など、帰りに映画館へ行った。
ジェラール・フィリップが主演の「パルムの僧院」もこうして観たのだった。
流石に眠くてどんな映画だったかあまり覚えていないが。
さて。
主人公のジュリアン・ソレルは身分は低くても魅力的で才能豊かな青年である。
家庭教師として町長の家に雇われる。
二人の子供もいるのに、町長夫人ルイーズは一目で彼の虜になってしまった。
ジュリアンは貧しい出で、ナポレオンに憧れるような出世意欲があり、この恋も出世のために利用しよう位に思っていた。
しかし、チクられて彼女の夫の知るところとなり、クビになって、神学校へ入り僧侶の道で偉くなろうと思う。
神学校を出て才能を見込まれて公爵の秘書に雇われる。
男性にも女性にも超モテ男なのだ。
公爵の娘、マチルダは身分が低いと見下ろしながらも、すぐに彼の魅力の虜になった。
しかし何としても身分の差があって一緒にはなれない。
公爵は当然反対した。
結局、町長に問い合わせた結果、過去の不倫がばれて公爵を激怒させてしまった。
町長夫人ルイーズの裏切りに怒ったジュリアンはルイーズを殺した。
しかしルイーズは裏切ったのではなく、騙され脅されて手紙を書かされていたのであり、殺人は未遂であった。
ジュリアンは本当に愛していたのはルイーズだと悟り、断頭台に向かって歩むのだった。
とても美しい映画である。
フランス映画はちょっと暗くて、というイメージがあったのだけど、今回明るく美しい映画で驚いた。
町長の家のある街並みとか、また公爵の邸宅は洗練された豪華な美しさで目を楽しませてくれる。
若い時には唯々見惚れていた映画だったけれど、落ち着いて見れば、衣装なども素晴らしい。
公爵の令嬢のドレス。真っ白のふわふわのお袖や襟元。アクセントにつけた明るい色のリボンが何ともよくマッチして、洗練されていてう~んと唸ってしまう。
映画が最高の娯楽として持て囃された時代の満足度の高い映画である。
長い映画だけれど、最後まで退屈しない。