寒いけれど雪は降らない。
子供の頃の冬は、もっと雪が降ったように思う。
積もったら、霜焼けの手も厭わずに妹と庭に出て雪だるまを作った。
目玉の炭団や炭は物置にあったし。
夢中で作ってから家に入ったら、毛糸の手袋がびちゃびちゃになってしまって、母に叱られた。
火鉢の淵に置いて乾かした。
翌朝には雪だるまは溶けてしまって、庭の隅に汚い雪の塊と炭団が転がっていた。
今朝の東京の様に大騒ぎした記憶もない。
雪の日はゴムの長靴を履いたし、大人は下駄か草履を履いていたし。
雪道に「二の字二の字」を刻まれていたのも懐かしい記憶だけになってしまった。
寒い中、買い物に行く。家を出ようとしたら近所の知り合いの女性がカートを押してヨタヨタ歩いてるのに出会った。
会うのは何年振りかな?
この人は面白い人で、ずーっと以前、歩いている私を見て「私は脚を鍛えるのは止めよ、と思てるねん。認知症になったら遠くまで歩いて行方不明になるやんか」と言った。
あれから20年ぐらい経ったかな〜
多分、彼女は今90歳になってると思う。
さっさとは歩けないけど、会話はまともで決して認知症になっていない。
昔の会話を思い出しておかしかった。
自分の未来は誰も予測できない。
テレビを見せないでおこうと頑張るクルミ。