今朝ベランダで洗濯物を干していると隣の門扉がキコキコ音を立てているのが聞こえた。
誰かが錆び付いた扉を開けて入って来る。
見ると、お隣の娘さんだ。
久しぶりに姿を見た。隣は八十代のお婆さんとその娘さんの二人暮しだがこのところずっと留守だった。
住んでいてさえ掃除をしない人たちだったが、今庭は荒れ放題、植木が伸びて枝が玄関への通路を塞いでいる。
彼女は裏庭がらぐるっと回って玄関に入って行った。
しばらくすると、雑草と庭木をがさがさ掻き分けて彼女が出て来た。
大きな荷物を持っている。垣根越しに私に挨拶した。
「お母さんはお元気なの?」と聞くと「家で寝てて毎日外来で点滴してもらっている」と返事。
「今何処に住んでるの?」には、「堺東のHに居ます」との答え。
彼女の兄さんの店だ。
髪も白髪混じりだが適当な長さ、洋服も普通で別人か?と一瞬思ったぐらいまともだ。
今50代の半ば位か、精神を病んでいていつもまともな会話が出来なかったが、今はかなり治っているみたいで、ほっとした。
「お母さんお大事にね」と云うと、「有難う」と云って出かけて行った。
人づてに聞いた所では兄さんの所は無茶苦茶汚い店らしい。
隣は大きな家なのにここに住めず気の毒に思う。
夫は今日は句会に琵琶湖まで行った。今夜は一人で留守番だ。