a-dollのブログ

忘れたくない日々のあれこれの記録

愛すべきベネット夫人

昨日の法事でお線香の煙を吸った所為か眼が覚めたら喉が痛くていがらっぽい。声もがらがらだ。
それでも日曜礼拝での賛美歌はいつものように、気分良く歌えたから大したことはない。

娘が私の姉M子姉ちゃんのことをジェーンオースチィンの「高慢と偏見」に出て来るMrs.ベネットみたいやから、これから伯母ちゃんのことはベネット夫人と呼ぶことにする。と言った。
昨日の兄姉妹の会話の内容をこと細かく娘に報告したからだ。
例えばこんな場面。
兄には触れられたく無い過去の時代が有る。家族の秘密だ。だから横で子供や孫が聞いているかも知れない状況の中では、話題にするのは避けたい。
B夫人「兄ちゃん、昔、B先生っていたはったよね。」
私は、姉ちゃん何言い出すのん?と驚いて兄の顔を見たら、ものすごく怖いしかも当惑した顔が有った。
兄「M子さん、人が話したく無いことは聞きなさんな。」
B夫人「B先生って居たはったやんか。」まだしつこく言っている。
もしここで兄が、これまで良くやったように怒鳴ったら、負けずに姉はもっとヒステリックに言い募ることは間違いない。
横ではらはらしたが、ようやく話題を変えてこと無きを得た。
次に、兄が犬猿の中だった人のことを殊更褒めちぎる。途中で「あっこれは言ってはならないな」と気が付く人では無い。
人の神経を逆撫でする話と、過去の自慢話と、子ども達の自慢話を延々と。
横で聞くだけの私は肩が凝った。

しかも、帰り道にH子姉に、兄のことを怒っていたという。

80歳になろうとしているのに、全く大人になれずマイペースで言いたいことを言う人物、姉なので呆れながらも、また憎めないのである。
イギリスの古い時代の女性も、私の姉も国や時代が異なっても変わらない。愛すべきベネット夫人は居るのである。

ところで、兄嫁が亡くなったのは淋しいが、兄の家の空気が変わった。
凍り付いていた空気が少し流れ始めたのを感じる。これも家族の歴史の一時代なのか。