横浜からきて1泊した姪は、昔のことを知りたがる。
家には歴史がある。
それぞれが悩んだり苦しんだりした上で何とか切り抜けて人生は過ぎ去って行く。
それでも後に続く若い人たちは、過去の出来事の真相を知りたがるのだ。
私が居なくなったら「K子おばちゃんが言ってはった・・・」という事実が家族の歴史として残るのかと思うとうっかり良い加減なことは言えない。
隣の市に住んでいた兄は1年前に89歳で亡くなった。
姪は自分たちの家を処分して、残された大きな家に引っ越すので大変だ。
この姪も、又もや「K子叔母ちゃんに教えてもらいたいこと、聞いておきたいことが一杯あるから落ち着いたら、遊びに行く」と言っている。
私も子供のころ、同居していた72歳年の離れた祖母が話していたことを、もっとしっかり聞いて記録しておくべきだった、と今になって思っている。
祖母よしのさんは、元治元年(1864年)和歌山生まれ。話の中には紀州の殿さんの話やら、ズボンマンテルを着た兵隊の行列が楽隊入りで歩いているのを見物していた話があった。
おぼろげに覚えているのだが、もっとしっかり聞いておけばよかった・・と今になって思う。
少女の目から見た明治維新はどんなだったろう。
よしのさんが喋っていた内容は、苦労している頃のことは飛ばして、少女時代の楽しかった話が主だったけれど。
しっかり質問して書き留めておけば良かったと後悔しきり。
だから私の知っていることは姪に話すつもり。
でも気をつけたいのは、亡くなった人を誹謗するようなことは避けたい。
死んでしまった人たちは「それ、誤解や、事実はこうやねん」と言いたくても反論できないのだからね。
心しよう。
今日のニュース:アメリカではトランプが大統領に就任。