蒸し暑くて眠くなる天気。
ヒッチコックはアンソニー・ホプキンスが演じている。
誰もが知っている有名な人だからメーキャップの技術はすごい。
横向きのお腹の出た姿が特徴だが、よく研究されてそっくりだ。
長い顔で垂れ下がったほっぺた、二重顎、細い目。アンソニー・ホプキンスはぎょろっとした目が特徴だけど、上手く化けている。
1960年ヒッチコックはスリラー小説「サイコ」を読んで、映画を撮りたい欲望に取り憑かれる。
当時の映倫では、風呂場の殺戮シーンや節穴から覗くとか母と息子の近親相姦などは許されないのだった。
余りの内容に誰も出資をしてくれない。
ヒッチコックにはアルマ(ヘレン・ミレン)という妻がいて、彼女が支えている。
夫の夢を叶えるために、家を抵当にお金を作って「サイコ」を撮ることになる。
美人女優のジャネット・リン(スカーレット・ヨハンソン)を起用し、ハンサムなアンソニー・パーキンス(ジェームズ・ダーシー)を主人公に使った。
妻のアルマはジャネット・リンを映画の始まり30分で殺してしまえと提案する。
すごい夫婦の会話だ。
この映画はヒットして家を失うことなく次作の構想を練るところで終わる。
終わりにカラスが飛んできた。
「サイコ」と言えば古いお屋敷と不気味なモーテル。
それと何と言ってもシャワーを浴びながらヒロインが叫び喚くシーンが思い浮かぶ。
主人公が恋人の元へ会社の大金を車に積んで雨の中を走るシーンも印象的で怖い。
ヒッチコックの映画で一番好きなのは何と言っても「レベッカ」。
樹々の中からマンダレーのお屋敷が姿を表すシーン。
玄関にずら〜と並んだ執事や家政婦長(デンヴァース夫人)や使用人。
私は手袋を落としてしまう・・・。
結婚したものの、屋敷には美しい前夫人の気配が漂っていて、私を不安にさせる。
ジョーンフォンテーンがおどおどした可憐さがぴったりだし、何と言ってもローレンス・オリビエのマキシムが・・・すてき。
今日観たのは1947年アメリカ映画「バランタイン夫人の恋」。
グレゴリー・ペック。アリダ・ヴァリ。ルイ・ジュールダン。とそうそうたる俳優を使っている。
ヒッチコックの映画には誰もが出たかったのだろう。
この映画は裁判のシーンが見せ場。