私の好きな映画100選 no.22 サウンド・オブ・ミュージック
1965年公開のミュージカル映画
ナチスドイツから逃れアメリカに亡命して合唱団として成功をしたゲオルク・トラップ大佐の妻が書いた「トラップ・ファミリー合唱団物語」を元に、リチャード・ロジャースとオスカー・ハマースタイン2世がブロードウエイでミュージカルを公演した。
それを映画化したもので大ヒットとなった。
物語は7人もの子供を残して妻を失ったオーストリア=ハンガリー帝国海軍の退役軍人ゲオルク・トラップ大佐と家庭教師マリアの恋。
オーストリアを併合しようとするナチスドイツの手から逃れようとする大佐一家。
この2本の物語が大筋である。
物語と共にに美しい音楽がある、というのがこの映画の特徴である。
それとオーストリアの美しい景色。
映画の始まりはオーストラリアのザルツブルグ。
マリア(ジュリー・アンドリュース)が鞄を下げてザルツブルグで修道院へ行くところ。
見習いとして入るが、あまりに活発で修道女に向かない。
修道院長はマリアを家庭教師としてゲオルク・トラップ大佐(クリストファー・プラマー)邸へ行かせた。
大佐は妻を亡くして、子供7人の家庭教師が続かなくて困っていた。
厳しいお父さんの軍隊式行儀作法。
それでも子供たちは無邪気で、大佐がウイーンに出かけた留守にすっかりマリアに懐いて伸び伸び過ごし音楽を楽しむのだった。
沢山の有名な歌が出てくる。
嵐の夜、子供たちが雷が恐ろしいとマリアの部屋へ逃げてくる時に歌う
「私のお気に入りMy Favorite Things」
カーテンで子供たちにお揃いの服を作って街に繰り出し歌う。
厳しい教育のもとで育ったので歌うことを知らない子供たちに歌い方を教える
「ドレミの歌」
大佐が美しい婚約者エルザを連れて帰ってくる。
大佐は余りの自由奔放さに怒ってマリアを解雇しようとするが、子供たちの歌を耳にし忘れていた歌を思い出して歌う。
「ザ・サウンド・オブ・ミュージック」
マリアの解雇は取り消し!
家でパーティーが開かれ子供たちは余興に人形劇を用意した。
「ひとりぼっちの羊飼い」
大佐が一人で歌う「エーデルワイス」
子供たちが部屋へ戻るときの歌
「さようならごきげんよう」
エルザは大佐とマリアの間にある互いに惹かれ合う気持ちを察するが、マリアは耐えられなくなって修道院へ戻る。
子供たちはマリアが忘れられず修道院に会いにくるが会えない。
生涯を神に仕えると決心したマリアだったが修道院長に自信を持って自分の道を歩みなさい、と諭され大佐と愛を誓う。
「すべての山に登れ」
二人は結婚するが、ナチスドイツから狙われ家族で徒歩でスイスに逃亡する。
どの歌も好きだけれど一番は「私のお気に入りMy Favorite Things」
歌詞が可愛い。
バラを伝う雨だれ、子猫のひげ、羊毛の手袋、ドアのベル スレイベル ・・・
このうたは本当に便利で、眠れないとき、落ち込んだとき、私も自分のお気に入りを探す。
例えば、
猫の濡れた鼻の先、猫のピンクの肉球、猫の耳たぶ(猫が多く出てくるのが特徴)、
早春の沈丁花の香り、晩春の桜吹雪を浴びて歩く道、
コンサートホールで聞く最初のチューニングの音、
歌舞伎の緞帳が開く一瞬前の柝の音、浄瑠璃の太棹の音、
秋の庭の緑の苔、木犀の仄かな香り などなど。
ちょっと年寄りくさいなあ。
ジュディ・アンドリュースは歌声は素晴らしい。
この映画の頃はまだ若く30歳になっていなかった。
ずっと以前に大阪フェスティバルホールの公演に行ったことがある。
良いお席だったので、目の前で聴いた。
4オクターブの音域で素晴らしい歌唱力だった。
私より1歳年上だが、元気にしていられるだろうか。
ゲオルク・トラップ大佐のクリストファー・プラマー。
昨年亡くなられたが晩年まで素敵なお年寄りの役で活躍していた。
若いときのイメージを余り変えず俳優を続けて素敵だった。
長くコーラスを趣味にしていると、沢山の歌に出会う。
この映画の歌はどれも合唱曲として歌うチャンスが多い。
どれも親しみやすく素敵な歌なのだ。