朝から冷たい雨が降る。
最近、こんな雨の日も調子が出ない。
やりたいことは沢山あるのだけれど、だらだら過ごしてしまう。
しゃあないわ。
15年前に夫が先に天国へ行ってしまった。
その翌日に教会で前夜式、その翌日に葬儀をした。
残された娘と二人は、その後しばらく茫然として過ごしていた。
そんな日にミニコミ誌で「仔猫を貰ってください」の記事を娘が見つけた。
生まれたのは3月23日(葬儀の日)ということだった。
「お母さん、猫の赤ちゃん見に行こうよ」と娘が言ったので見に行く。
小柄で美しい母猫の周りに仔猫が4匹いた。
そのうち3匹は予約済み。
残った雌の仔猫を貰うことに決めた。
亡くなった夫は「猫を飼うのはあかん!」と常々言ってたのに、無視して飼うことになった。
障子を破ったり家具を傷めるから、というのが理由だった。
それなのに、夫が亡くなった途端、夫の意思を無視して仔猫を貰ってしまった。
1ヶ月後、ようやく乳離れした仔猫を届けてくださった。
それがクルミちゃんである。
たちまち障子は破れ、壁紙にも襖にも爪痕が・・・。
仔猫を追いかけ回して振り回されて、お陰で夫が亡くなった悲しさや辛さは思い出す余裕がなくなった。
あれから15年、クルミちゃんは15歳になった。
私たちがテレビを見ながらお茶を飲んでいると、同じように湯呑みの水を飲みたがるので、この湯呑みはクルミちゃん用にした。
うっかり間違って飲まないように気をつける必要がある。
この手はトイレの砂をかき混ぜるし。