Kおりちゃんから貰ったミーコは美猫だったからモテた。
廊下の突き当たりに小さな窓があって、いつでも外に出られるように少し開けてあった。
ミーコは夜中はそこを出入りしていた。
ところがある日、夜中にドタドタと帰ってきて、後ろから雄猫が追いかけて入って来たものだから廊下は大運動会で、家族全員目が覚めた。
挙句ミーコはお腹に赤ちゃんを孕んで(その頃は動物の避妊手術まで手が回らなかった)、そのお産がまた大層で大騒ぎ。
傍に付いていて欲しいと鳴き喚く。産まれるまで側で付いていたものだった。
その点犬のお産は楽だった。
いつの間にか縁の下で産んでクンクンと子犬の鳴き声が聞こえて来た。
だから「戌の日」に腹帯をつける習慣があったけど、今はどうなのどうなのだろう。
ミーコの子供は少し大きくなったら、知り合いの獣医さんが引き取って貰い手を見つけて下さった。
ミーコが死んでしまった時も、その先生が紹介して下さって、再びメスの子猫を貰って飼った。
昔は外で飼っていたし、危険も一杯。
ワクチンは無かったし。
3、4年で死んでしまった。
だから、うちのクルミの様に13歳になっても甘ったれで元気なのは初めて。
エリザベス女王じゃ無いけれど、この子を置いて私は死ねないのである。